みんなの日本語7課(単語&文型):授受表現のポイント!授業中によくある学生の間違いなど!
みなさん、こんにちは。
kirin 先生です!
教師1年目の頃は、教案も書くのも、
授業をこなすのも毎日必死でした........。
本やインターネットからの情報集めは毎日の習慣になり、
特に先輩のブロガーさんたちには、
本当に助けられました。
本ページのシリーズでは、
少しでも新人先生の力になれたらいいな
という思いから、書き始めました!
では、早速7課をみていきましょう!
目次
語彙編
語彙導入ポイント
動詞と名詞と一緒に導入してもいいですが....
私の場合、名詞をレッスン前に導入してから、
動詞は文型と一緒に導入しています。
名詞はカタカナの語彙が多いですね.....
その上、量もなかなかです。
覚えるのが大変ですが、文型練習で
使うものばかりなので、練習を繰り返すうちに
自然と覚えていることが多いですよ!
・年賀状
年賀状の文化を知らない学生がいるかもしれませんから、
「新年には挨拶として年賀状を送ります」
と一言説明しておくといいかもです。
・荷物
- 郵便局で荷物を送ります。
- この荷物は誰のですか。
意味が2つあります!
配達する荷物と旅行などに持っていく荷物。
イラストを準備しておくといいですね^^
文型編
文法項目
- A1:(手段)で 〜ます。
- A2:(言語)で 〜ます。
- A3:(言語)で 何ですか。
- A4:私は 人に Nを あげます。
- A5:私は 人に Nを もらいます。
- A6:もう 〜ましたか。
授業を進めるときのコツ、ポイント
日本語教師としては、初めて教えるときや
就職面接の模擬授業で緊張する課ですね.....
授受表現は、何をどの順番で教えるか
整理しておけば問題ないです!!
って言っても、学生にとっては
やっぱりいつまで経っても、
苦手意識が残るところにはなるんですけどね....
ちなみに24課、41課でも授受表現を勉強します。
A1
実は、「(手段)で〜ます」
これは5課で勉強した内容と同じです!
- バス で いきます。
- 地下鉄 で きました。
はい、そうです。この「で」です^^
というと導入はあっさり!
ハサミ で 紙を切ります。
ケータイ で 写真を撮ります。
パソコン で メールを送ります。
手 で 寿司を食べます。
質問の時は、「何で〜ますか。」
A2
言語 で 〜 ます。
この「で」も同じく手段の「で」です!
どの言語を使って、〜ますか?
ということですね^^
- 日本語で村上春樹の本を読みます。
- 中国語で手紙を書きます。
- 英語でメールを送ります。
- 韓国語でラジオを聞きました。
- 関西弁で電話をかけます。
質問の時は、「何語(なにご)で 〜ますか。」
何(なん)ではなく、何(なに)です!!
A3
A2と同様、手段「で」です。
- 「ありがとう」は中国語で "謝謝"です。
- 「こんにちは」は韓国語で "안녕하세요"です。
- 「ホッチキス」は英語で 何(なん)ですか。
ここで、覚えたばかりの7課の語彙で練習します。
以下のQ&Aで確認するような練習をすると
文型も口慣れするし、語彙も復習できて、一石二鳥です^^
Q:「 」は 〇〇語 で 何ですか。
A:「 」です。
A4&A5
Aさんは Bさんに プレゼントを あげます。
Bさんは Aさんに プレゼントを もらいます。
(から)
「に」は人を対象にする助詞として導入します。
もらいますの場合、「から」でもOKですが、
私は一通り説明&練習が終わってから導入します。
「ます」「ました」の確認もできたらいいですね!^^
初めの板書&導入を
AさんとBさんにすることで、
第三者からの目線で練習ができます。
そして、慣れてきたら
「私」を主語に置き換えてみます。
私は Cさんに プレゼントをあげます。
この文はOKですが.....
Cさんは 私に プレゼントを もらいます。
これは非文です!!!
「あげます & もらいます」は
「 私に 」とすることができません。
同様に......
私は Cさんに プレゼントを もらいます。
この文はOKですが....
Cさんは 私に プレゼントを あげます。
こちらの文は非文になります。
と説明すると学生は「複雑だ」というでしょう...
はい。よく言われます。
でも....
授受表現だけでなく、使役や受身など
日本語の文法は、主語が「私」の場合
いつも文頭に来るんですよ。
と日本語はこういうものだと言っておきましょう。
頑張れ学生さん。いつかは慣れる!笑
基本的な練習などで口が慣れてきたら、
次は疑問文も導入します!
「誰に」「何を」と
学生の口から出てくるといいですね〜
Aさんは 誰に プレゼントを あげますか。
Aさんは Bさんに 何を あげますか。
さて。
ここまでは「あげます&もらいます」だけ
の練習でしたが、他の動詞に置き換えてみます。
板書は次のようにすると、整理されて
わかりやすくなると思います。
左の動詞は全て、give
右の動詞は全て、take
- Aさんは Bさんに 電話をかけます。
- Bさんは Aさんに 電話をもらいます。
- Aさんは Bさんに 荷物を送ります。
- Bさんは Aさんに 荷物をもらいます。
- Aさんは Bさんに 英語を教えます。
- Bさんは Aさんに 英語を習います。
ポイント1
「貸します、借ります」の動詞は、
特に中国語圏の学生にとっては混乱しやすい動詞です。
中国語は「借ります」という動詞だけ使い、
主語の前後で意味を判断するからのようです....
上の図を視覚的に覚えておくと、
混乱を防ぐことができるかも....です.....笑
ポイント2
練習C2の会話文に、
誕生日に 父に もらいました。
と助詞「に」が続く文があります。
誕生日「に」:時間(5課で既習)
父「に」:人の対象
練習前に確認しておくと学生も
安心して練習に取り組めます^^
ポイント3
直接、人にプレゼントをあげるとき
「これ、あなたにあげます」
と言うとあまり丁寧には聞こえません。
手渡しでプレゼントをするときは、
「これ、どうぞ。」
がいいですね^^
授受表現の文法は、先生にとっても
学生にとっても大変ですね....
でも、一つ一つ丁寧に教えていけば
大丈夫です!みんなの日本語では、
24課、41課でも勉強が続きますからね...笑
ゆっくり練習できます...笑
ドリル式で練習したい学生がいる場合、
この本を紹介するといいと思います^^
A6
Q:もう 昼ごはんを 食べましたか。
A:はい、もう食べました。
いいえ、まだです。
いろいろなシチュエーションを
準備しておくと理解が早いですね。
- もう10課を勉強しましたか。
- もう(新しい映画名)を見ましたか。
- もう先生に宿題をもらいましたか。
ポイント
主語がある場合、
「〜さんは、もう〜ましたか。」と
助詞「は」が文頭になることを
説明しておきましょう!
以上、7課の内容でした。
最後まで読んでいただき、
ありがとうございました!^^